火力発電の仕組みが知りたい!

火力発電のメリットデメリットは?

火力発電は環境に影響がある?

 

 

日本国内の電力供給は、今までは原子力発電が主流でした。

しかし、東日本大震災での原発事故によって発電所の稼働が停止。

放射能汚染等の問題が問われている中、火力発電が再び見直され、
今では日本国内で使われる最も多くの電力を供給しています。

その燃料になる物が、石油・石炭・天然ガスであるということは知っていても、
火力発電が電力を作り出す仕組みや、メリットデメリットについて、
知っている人はそう多くはないでしょう。

そこで今回は、火力発電の仕組みやメリットデメリット
環境への影響などについてまとめました。

 

火力発電の仕組みとは?

Original update by : 工藤隆蔵

 

火力発電は日本国内で最も多くの電力を作り出していて、
使用される電力の6~7割を占めています。

〇火力発電の仕組み

石油・石炭・天然ガスを利用して熱エネルギーを作り出し、
その熱エネルギーで水を蒸発させて、
発生した蒸気で発電タービンを回し発電します。
発電方法は以下の4種類です。

汽力発電

火力発電で主流の発電方式です。

復水器の中の水をボイラーへ送り、
燃料を燃やして出来た熱エネルギーでその水を熱し、
発生した水蒸気の力で、蒸気タービンを回転させ電力を発生させます。

蒸気タービンを回転させたのち、
水蒸気は復水器で再び冷やされ水となり、
ボイラーへ送られ熱せられて水蒸気になりタービンを回転させる、
というサイクルを繰り返して電力を作り出します。

内燃発電

デイーゼルエンジンなどの内燃機で発電する方式です。

燃料の燃焼により発生した化学エネルギーで、
内燃機器を回して発電します。

短時間で始動できるのが特徴です。
離島などの小規模発電で利用されます。

ガスタービン発電

高温の燃焼ガスを発生させ、そのエネルギーによって、
ガスタービンを回転させる発電方式です。

コンバインドサイクル発電

ガスタービンによる発電と、スチームタービンによる発電を組み合わせる事で、
従来の方式による発電よりさらに熱効率を上げ、
CO2排出量を減らす事を目指した新方式です。

 

火力発電は、主にこれら4つの発電方式で電力を作り出していますが、
CO2排出量削減などを目指し、更なる機能の向上を図っています。

〇火力発電に使用される燃料

次に、火力発電に使われている燃料について説明します。

石油

古くから火力発電の燃料として使われていますが、コストが高く
また国際情勢などにより燃料価格が変動しやすい事、
そして排出ガスが多いという問題点があります。

石炭

石油に比べ埋蔵量が豊富で単価も安いというメリットがあります。

一方で、光化学スモッグの原因となるデメリットがあります。

石炭を燃やした時に生じる、
NO×(酸化窒素化合物)やSO×(酸化硫黄化合物)などは、
光化学スモッグの原因や大気汚染の原因となります。

技術の進歩によりNOXやSOXの発生率を90%ほどに低減できましたが、
この先の長期使用を考えると、まだまだ対策が必要です。

LNG・その他のガス

LNGとは液化天然ガスの事で、
メタンを主成分とした天然ガスを冷却し液化した物です。

環境面で他の燃料と比べて優れているのが特徴です。

燃焼時のCO2排出量が最も少なく、
石炭と比べるとCO2排出量は約6割です。

天然ガスは、動植物の死骸が地中で熱と圧力を受け、
長い歳月をかけて変化してできた物と言われています。

埋蔵量が豊富なので安定的に入手できるのが大きなメリットです。

かつては石油による発電がほとんどでしたが、
オイルショックや産油国である中東情勢の不安定さが原因で、
価格が変動しやすいために現在は天然ガスや石炭の割合が増えています。

 

火力発電のメリットは?

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国内で使用される電力供給量が最も多いという事は、
火力発電が太陽光発電や水力発電などの再生エネルギーによる発電や、
原子力発電など他の発電法を上回るメリットがあるからではないでしょうか?

では、火力発電のメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

〇火力発電のメリット

  • 他の発電方法より発電効率が良い。
  • 電力必要量に応じて燃料を調節して発電量を調整出来るため、
    季節や時間帯による電力消費量の変化に対応して発電量を容易に調整できるので便利。
  • 水力発電や原子力発電に比べて発電施設が設置しやすい。
  • エネルギーの取り扱いが安全。
  • 万が一の時、被害を局地的にとどめる事ができる。

 

東日本大震災での原発事故で、原子力発電の使用が問題視されました。

また、太陽光発電などの再生エネルギーはエコで安全ではある一方で、
季節や天候により左右されやすく供給量が安定しないという問題点があります。

 

火力発電のデメリットは?

Original update by : 工藤隆蔵

 

国内電力供給量の最も多くを占めている火力発電ですが、
メリットばかりではなくやはりデメリットも持ち合わせています。

次に、火力発電のデメリットについて見て行きましょう。

〇火力発電のデメリット

  • 大量の化石燃料を必要とする。
  • 地球温暖化の原因であるCO2を多量に排出する。
  • 大気汚染の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物を排出する。
  • 石油価格の変動が激しい。
  • 石油・石炭などの燃料となる資源は無限にある訳ではないので、
    今後使い続ける事での枯渇問題がある。
  • 燃料を国内で調達できない。

 

CO2などの公害物質の排出量は、以前に比べ低下してきているものの、
太陽光発電などの再生エネルギーに比べるとまだ発生量は多いので、
これらを更に減らしていく事が火力発電の今後の課題です。

 

火力発電はどのような場所に導入されているの?

それだけ多くの電力を作り出している火力発電は、
どのような場所に導入されているのでしょうか?

その理由は何でしょうか?見ていきましょう。

〇火力発電が導入されている場所

海や川の近く

電力を作り出すタービンを回転させるのに使った蒸気を
冷やすためには大量の水を必要とします。

そこで、大量の水がすぐに使える海や川の近くに多く導入されています。

また、燃料となる石炭・石油・天然ガスは国内では産出できないので、
中東などから船で運ばれてきます。

運ばれてきた燃料を格納するタンクが海沿いにあれば、
燃料を船からすぐタンクに移すことが出来るというメリットもあります。

都市部に多い

電気は、発電所から家庭に送る電線で損失が発生します。

発電所と家庭の距離が遠いほど損失が多くなり、無駄が生じます。

その為、輸送効率を考え送電ロスを減らすため、家庭や工場などの、
需要地に近い場所に火力発電が建設される事が多いです。

特に、電力が大量消費される都市部近郊には、
火力発電が多く建設されています。

〇火力発電の環境への影響とは?

火力発電はボイラーで燃料が燃える際、
大気汚染の原因となるNO×SO×
地球温暖化の原因となるCO2を排出するので、
環境汚染の原因となってしまいます。

また、石炭採掘現場では、
大型機器を使って山を崩し石炭を掘っているので、
周辺の野生生物の生息を破壊する危険があると懸念されています。

そして、崩れたがれきを川などに捨てる事で、
周辺住民の健康被害も出てきています。

 

近年ではシステム向上により、汚染の原因となるガスの排出量を、
かなり低減化させる事が出来ていますが、それでもまだ0ではありません。

また、太陽光発電などの再生エネルギーに比べるとその量は多く、
今後火力発電を使い続ける事により蓄積していく汚染物質の影響が心配です。

 

まとめ

いかがでしたか?

火力発電は日本国内で使用される電力の、
6~7割を占めている主力発電です。

燃料には、石炭・石油・LNG(液化天然ガス)を使用していて、
かつては石油による発電が主流でした。

ですが、オイルショックや不安定な中東情勢が原因で、
石油価格が変動しやすいこともあるため、
現在では天然ガスと石油の割合が増えています。

 

火力発電の発電方式は以下の4種類です。

  • 汽力発電
  • 内燃発電
  • ガスタービン発電
  • コンバインドサイクル発電

 

火力発電は、他の発電方式より発電効率がよく
また燃料の調整をすることで発電量を容易に調整できる
というメリットがあります。

しかし一方で、
大量の化石燃料を必要とし、地球温暖化の原因となるCO2や、
大気汚染の原因となるNO×、SO×を排出してしまうというデメリットもあります。

 

タービンを回転させる時に使った蒸気を冷却する水が必要なため、
そして原料となる石炭・石油・天然ガスが産地より船で運ばれてくるため、
火力発電は海や川の近くに多く導入されています。

また、送電ロスの観点から、都市部近郊など、
需要地に近い場所に建設されています。

 

今や日本国内で主流電力となっている火力発電ですが、
石油資源の問題や、地球温暖化の原因となるCO2の排出や、
NO×、SO×などの大気汚染物質による環境汚染問題等、
今後主力電力としいて使い続けていく上での課題はまだ山積しています。