IHクッキングヒーターでは火災は絶対に起こらないの?

火災が起こるとしたら原因は?

火事を起こさない為にどんなことに気をつければいいの?

 

 

新築やリフォームの際に、ガスコンロではなく、
IHクッキングヒーターを選ぶご家庭が増えていますが、
その理由の一つとして、「安全性が高い」ことが挙げられます。

確かに、ガスのように炎が出ないので、
着衣発火などの危険はありません。

しかし、IHクッキングヒーターは、
「100%安全だ」とは言い切ることは出来ません。

 

今回はIHクッキングヒーターの火災事例を検証し、
その原因や対策について解説していきます。

これからIHにする予定の方も、
既にIHをお使いの方も、是非、参考にしてください。

 

IHクッキングヒーターでも火災は起こる?

Original update by : 写真AC

 

まず、「平成25年消防白書」から、
コンロ火災の内訳を見ていきましょう。

総数は3,951件ですが、
その全てがガスコンロによるものではありません。

その内の310件は電気コンロが原因で、
IHクッキングヒーターが原因の火災もその中に含まれています。

安全性が高いと言われるIHクッキングヒーターからも、
火災は報告されているのです。

実際にどのような火災があったのか、2つ事例をご紹介します。

【事例1 てんぷら油の発火】

揚げ物をするために、
小さな片手鍋にてんぷら油を100ml程入れて加熱中、
他の用事で約3分間台所を離れていたところ、
てんぷら油が発火し、火災が発生した。

【事例2 IHクッキングヒーターの上にカセットコンロ】

IHクッキングヒーターの上にカセットコンロを置き、
カセットコンロを点火させようと操作していたところ、
カセットボンベが破裂し、周囲の物品が破損し延焼した。

 

この2つの事例のどこが問題だったのか、
次の項で詳しく見ていきましょう。

 

IHクッキングヒーターの火災の原因とは?

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事例1の注目点

事例1の場合、注目すべき点は次の3点です。

  • 小さな鍋
  • てんぷら油100ml
  • 3分間台所を離れた

 

IHクッキングヒーターの特徴に、
「加熱する力が強い」ということが挙げられます。

IHはガスに比べて急激に加熱するため、
少量の油ならすぐに高温になります。

てんぷら油は、炎が無くても370℃で自然発火しますので、
この場合、3分間離れた間に発火してしまいました。

 

ここで、「安全装置は作動しなかったの?」
と疑問を感じた方も多いと思います。

IHの安全装置はヒータープレートの下に設置されているため、
温度を感知するのに、ほんの少し時間差が生じます。

この事例では、小さな鍋で少量の油を加熱したため、
センサーが感知する前に370℃に達してしまったと思われます。

事例2の注目点

事例2の場合、注目すべき点は次の2点です。

  • IHのプレートを作業台として使っていた
  • IHのスイッチが入っていたことに気付いていなかった

 

IHクッキングヒーターは、そのフラット面も特徴の一つです。

お手入れもしやすく見た目も綺麗ですよね。

プレートの上に一時的に物を置いたり、
ちょっとした作業をするのに使ったりする方も、
やはり多いのではないでしょうか。

しかしIHは炎が出ませんから、スイッチが入っているのかどうか
一瞬で判断することは難しいです。

この事例では、ガスボンベが破裂するまで、
気づくことが出来ずに火災に繋がってしまいました。

IHクッキングヒーターの火災原因

経産省は、IHクッキングヒーターの火災原因を、
大きく分けて次の4つに分類しています。

  1. 鍋がIH調理器に対応していない
  2. 油量が少ない
  3. その場を離れた
  4. モードの誤り

 

事例1の場合は、
2と3の複数の原因が重なって火災に繋がりました。

事例2の場合は、
4のモードの誤りに分類されます。

 

火事にならないために気を付けることとは?

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では、IHクッキングヒーターからの火災や事故を防ぐためには、
どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

ポイントは次の4点です。

1.主電源は切る

使わない時は、主電源を切っておきましょう。

誤って加熱スイッチを押してしまうことによる、
火災や事故を防ぐことができます。

特に小さなお子さんのいるご家庭では、徹底しましょう。

2.揚げ物は規定量の油で行う

上の事例1で見たように、少ない油で揚げ物をしようとすると、
急激に油の温度が上がるため、センサーの反応が間に合いません。

揚げ物モードがある機種は、必ず「揚げ物モード」を使用して、
定められた油の量を守って調理して下さい。

3.IH専用の調理器具を使用する

IH専用の鍋などを使用しないと、
十分な熱量が得られないばかりでなく、
場合によっては安全装置が正しく働きません。

また、IHそのものの故障にも繋がりますので、
必ずIH専用の調理器具を使用しましょう。

4.周囲に物を置かない

IHのトッププレートに物を置かないことは絶対ですが、
その周囲にも物を置かないようにしましょう。

特に金属は発熱しやすいので注意が必要です。

5.鍋の予熱は慎重に行う

加熱する力が非常に強いため、
空焚き状態では急激に温度が上がります。

鍋が高温になってから油を注ぐと、
瞬時に発火する可能性がありますので、慎重に行いましょう。

 

IHは炎が出ませんから、
確かに着衣発火などの心配はいりません。

しかし、「絶対に火災が起こらない」ということではありませんので、
火災に対する警戒心を常に持つようにしましょう。

 

火災以外の危険性は?

IHの危険性は火災だけではありません。

他に次のような危険性が考えられます。

火傷

IHクッキングヒーターは金属にしか反応しませんが、
次の部分は使用中・使用後のしばらくの間は、高温になります。

  • トッププレートとグリルのガラス部分
  • 吸・排気カバーや、排気口

 

うっかり触ってしまうと大火傷をする恐れがあります。

特に、小さなお子さんがちょうど触れる高さにありますので、
近づかないような配慮が必要となります。

電磁波

IHから出る電磁波が有害か無害かはよく論争になりますが、
はっきりとした結論は出ていません。

メーカーのパンフレットなどには、
「ペースメーカーを使用している方は医師に相談してから使用してください。」
と記載してありますので、全く問題ないとは言い切れないようです。

電磁波過敏症などが気になる方は、気を付けた方が良いでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

IHクッキングヒーターは、
100%安全という訳ではありません。

ガスコンロよりも件数は少ないですが、
火災事故が発生しているのは事実です。

 

火災の原因としては次の4点が挙げられ、
複数の要因が重なって発生することが多いです。

  • 鍋がIH調理器に対応していない
  • 油量が少ない
  • その場を離れた
  • モードの誤り

 

火災を起こさない為に、使わない時は主電源を切ったり、
揚げ物をする時は規定量の油を使用するなどの注意が必要となります。

 

また、火災以外にも火傷や電磁波の危険性も見逃せません。

「IHクッキングヒーター = 100%安全」

だと思い込まず、常に警戒心を持って使用することが大切です。