水力発電ってどんな仕組みなの?

水力発電のメリットデメリットは?

 

 

身近にある資源のひとつである、
水を使った水力発電が注目されています。

しかし、実際にどんな仕組みで、
どのように使われているのかを知っている人は少ないですよね。

当たり前のように使用している水や水力発電について、
知っておくことは地球の環境問題にも関わってくる大切なことです。

 

ここでは水力発電についての仕組みや、
メリット・デメリット
などを知り、
環境への影響があるのかを解説していきます。

 

水力発電のしくみとは?

Original update by : もん

 

水力発電は、水が高い場所から低い場所へ流れる時の、
位置エネルギーを利用して発電を行います。

高い場所から低い場所へ勢いよく水を流し、
その中に発電用のポンプ水車を設置します。

その水車の回転で発電機を動かすことにより、
発電するという仕組みです。

 

水力発電は、水力をどうやって発生させるかによって、
いくつかの種類があります。

大きく分けると以下の通りです。

  • 流れ込み式
  • 貯水池方式
  • 調整池式
  • 揚水式

 

河川や農業用水路などに
発電用水車を設置するのが流れ込み式です。

ダムに貯めた水を放流することで発電するのが、
その他の方式です。

ダムを利用する調整池式、貯水池式、揚水式は、
発電量の増減の調節が短時間にできるため、
電力の需要状況に合わせて稼働させることができます。

 

特に揚水式水力発電は、貯水池を上流と下流に持ち、
電力需要が少ない時間に余剰となった電力を使っています。

それにより、水を上流の貯水池に揚げ、
電力需要が高くなる時間に、
下流の貯水池に放流・発電をすることが可能です。

その結果、電力供給の過多/不足の、
いずれの場合にも調整を行う役割を果たしています。

 

水力発電のメリットは?

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では、水力発電のメリットはどんなところでしょうか。

まずはメリットを知って水力発電の良さを見ていきましょう。

温室効果ガスを排出しない

水力発電の一番のメリットはやはりここです。

水力発電では化石燃料を増やす必要がないので、
発電時に二酸化端子などといった
温室効果ガスを排出することはありません。

非常にクリーンな発電方法と言えるでしょう。

コストを抑えることができる

水力発電は、他の発電方法と比較して、
発電や管理・維持にかかるコストが安くなります。

原子力発電や火力発電では、
有償のウラン燃料や化石燃料が必要ですが、
水は無料です。

また、設備の管理・維持に架かるコストも、
他の発電方法と比べると安価です。

エネルギー変換効率が高い

エネルギー変換効率とはその名の通り、
あるエネルギーを別のエネルギーに変える際の効率のことです。

原子力発電や火力発電は、核分裂を起こしたり、
燃料を燃やしたりして得られる熱エネルギーで水を沸騰させ、
それによってできる水蒸気の運動エネルギーで、
タービンを回して発電するという方法が用いられています。

この際に発生した熱の中には、
排熱となって発電にうまく使われないものも含まれます。

それに対して水力発電は、水の持つ位置エネルギー、
運動エネルギーを最小限のロスで電気へ変えることが可能です。

変換効率は80%と極めて優れています。

太陽光など他の再生可能エネルギーと比べても高効率であることと、
重量が重い水を使うためエネルギーの密度が高いこともポイントです。

再生可能エネルギー中、最も安定的に発電

太陽光発電や風力発電は、
そもそも太陽光や風がなければ発電できません。

しかし水は、降水量が不足するなどの、
余程のことがない限り、なくなりません。

それに加えて水は貯めておくことができるので、
必要な時に必要な量を使用することができます。

水力発電は再生可能エネルギーの中で、
一番安定して発電しているといえるのです。

 

水力発電のデメリットは?

Original update by : こっそり出版

 

メリットの反面、デメリットも存在します。

水力発電のデメリットも知っておきましょう。

降水量によって発電量が左右される

上記で再生可能エネルギーの中では、
最も安定した発電をすると書きましたが、
一方で、水力発電には降水量が関係してきます。

極端に降水量が少ない場合は発電ができなくなる恐れがあるのです。

まさに恵みの雨といえるでしょう。

ダムの新造には費用がかかる

水力発電で大規模に発電するのは、
ダムを使った貯水池方式です。

しかし新たにダムを造るとなると建設費用がかかり、
公共事業に厳しい目が向けられている現代では、
やはり難しいものがあります。

発電自体はローコストで行うことができる水力発電ですが、
初期費用は必ずしも安いものではないのです。

ダムは環境や生態系に影響を及ぼす

ダム建設によって、周辺の環境や河川の生態系に、
影響が出ると言われています。

広い地域を水没させてしまうことだけでなく、
砂がダムでせき止められて、
下流では少なくなることも考えられます。

それによって
「砂の中で生活する生物の数が減った
という事例も報告されています。

また、ダムの建設に際しては、山奥まで、
大量の資材・機材を搬入するための道路等も建設されるため、
影響を受ける面積が広い点が指摘されています。

 

水力発電はどのような場所に導入されているの?

日本国内の発電量に占める水力発電の割合は7.58%で、
世界ランキングの順位は17位です。

日本で水力発電がどのような場所に導入されているかというと…

  • 河川
  • 農業用水路
  • 砂防堰堤
  • 水道用水
  • 下水処理水
  • 工場・ビル内

 

という感じで、実際に調べてみると、
様々な場所で導入されているのが分かります。

ダムの近くでは導入されるのも理解できますが、
国内でも意外な場所で水力発電が使われていることがあるようですね。

 

それでは海外ではどうなのでしょうか。

水力発電の世界ランキング1位は、
ノルウェーの96.6%でダントツになります。

続いて2位のアイスランドが70.3%
3位はオーストラリアの61.3%です。

世界ランキング最下位は、
イスラエルの0.05%となっています。

 

ノルウェーは「水力発電だけで電力需要を養える」
と言われているほどです。

これはノルウェーには巨大なダムがたくさんあり、
水資源に恵まれていることにあります。

また人口が450万人と少ないこともあって、
ほとんどの電力が水力発電で賄えるのです。

世界では水力発電だけで生活している国もあるとは、
驚きですね。

 

水力発電の環境への影響とは?

水力発電の環境への影響といえば、
デメリットでも紹介しましたが、
ダム建設による環境破壊とそれが及ぼす
生態系への影響
です。

また、初期費用のコストに対して、
回収期間が長いなどの問題があるため、
ダム撤去の動きが始まったアメリカに習い、
日本でも脱ダム化が進んでいます。

 

きわめて珍しい事故ではありますが、
ダムには決壊のリスクがあります。

台風による大雨が原因であったり、
地震による設備破損が原因であったりすることがほとんどです。

万が一決壊すると、下流に住んでいる人や、
建っている施設・動植物などに、
甚大な被害を及ぼすことがあります。

そこで注目されているのが、ダムを造らず、
小川や用水路などの僅かならくさや、
水道管の中の水流を利用して発電する、
「小規模水力発電」です。

別名「マイクロ水力発電」と呼ばれることもあります。

 

発電量はダムに依存する従来の方式に比べると、
大きく落ちてしまいますが、
電源のない山間部での照明や非常用の電源、
キャンプ場などの電源、夜間トンネルの照明など、
様々な用途に利用されています。

 

まとめ

いかがでしたか?

水力発電とは、高い場所から低い場所へ流れる時の、
水の位置エネルギーを利用して発電を行う仕組みです。

大きく分けると「流れ込み式」や「貯水池方式」などがあります。

 

特徴としては…

  • 温室効果ガスを排出しない上に安全に安定した電力を供給できる
  • ローコストでエネルギー変換効率が高い
  • ダム建設など環境への影響が懸念されているが、
    新しい仕組みとして「マイクロ水力発電」にも注目が集まっている

 

まだまだ発展段階にある水力発電ですが、
世界には水力発電だけで電力を賄う国があるほどです。

これからの水力発電の発展に期待したいところですね。