小規模水力発電と水力発電って違うもの?

マイクロ水力発電のメリットやデメリットを知りたい!

 

 

小規模水力発電、または、
マイクロ水力発電と呼ばれる発電システムがあります。

水力発電と混在してしまいそうですが、別のシステムです。

エコな電気への注目が高まる中、
小規模水力発電はどんなところで役立てているのでしょうか。

小規模水力発電の仕組みや良し悪しも気になりますよね。

 

小規模水力発電の仕組みやメリット・デメリットを織り交ぜながら、
ご紹介していきます。

 

小規模水力発電のしくみとは?

Original update by:七色

 

一般的に呼ばれる、
「小規模水力発電」または「マイクロ水力発電」は、
出力1000kW以下の水力発電を指すものとされています。

これは、
新エネルギーの利用等の促進に関する特別措置法施行令」にて、
1000kW以下の出力で発電する水力発電を、
新エネルギーと定義していることが根拠とされています。

 

ダムのように、
大量の水を貯めて落下させる水でタービンを回す水力発電とは異なり、
川や用水路などの水の流れがある場所に水車を設置します。

その水車を回すことにより、
連動させたタービンを回して発電するため、
この手軽さからも非常に注目を浴びている発電方法です。

 

流水さえあれば発電できるので、
多くの市や自治体が導入を実施、検討しています。

川どころか、道路の側溝に流れている水でも発電ができてしまうので、
地域の電力地産地消を後押しする強力な助っ人になるでしょう。

 

一般河川、農業用水、砂防ダム、上下水道などで、
現在では無駄に捨てられているエネルギーを、
有効利用する仕組みなのです。

 

小規模水力発電のメリットは?

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小規模水力発電のメリットはどんな部分なのでしょうか。

確認していきましょう。

流水があればどこでも発電可能

小規模水力発電の最大のメリットは、
水の流れさえあればどこでも発電できる点です。

従来の水力発電のように、
大規模に発電するにはそれなりの水が必要です。

しかし小規模水力発電は規模が小さい分、
必要とする水の量も少なくて済みます。

ちょっとした小川や農業用水、路肩の流水でも、
充分に充電できる可能性があるのです。

環境への負荷が小さい

小規模水力発電であれば、
やたらにダムを建設する必要がありません。

また川の流れをせき止める必要もないので、
環境への負担を最小限に抑えることができます。

従来の水力発電と同じく、温室効果ガスの排出もありません。

電力の地場消費ができる

都会から遠く離れた地方の発電所から、
長距離をかけて送電する発電形式ではなく、
地域の小川などで発電して、その周辺の電力をまかなう、
という地域密着型の発電が可能になります。

言ってしまえば、
自分たちで使う電力は自分たちで作ることが可能になります。

また、長距離送電の際の「電力ロス」という問題も、
抑えられると言われています。

 

小規模水力発電のデメリットは?

Original update by : サンサン

 

もちろんメリットばかりではありません。

デメリットを知ることも大切です。

水利権の問題

小規模水力発電の導入時に問題になりやすいのが、
水利権」です。

水の利用は下流の治水や水利用に影響することもあり、
河川や用水路に発電機を設置するには、
管理者に届け出をしなければいけません。

しかし、この手続きは極めて煩雑だといわれています。

関係する法律の制定や改正が追いついていないため、
たとえ小規模水力発電であっても、
大規模なダムを造って発電するのと同じ手続きを
取らなければならないのです。

最近の規制緩和で、
小規模水力発電に関する規制も緩みつつありますが、
全国に普及するには課題がありそうです。

費用対効果の問題

小規模水力発電には遺物によるつまり防止や、
魚道の確保、護岸の整備、堆積する砂の排出など、
発電設備の規模が小さくても、
必要な設備・メンテナンスの費用がかかります。

小規模化した場合は、
このような負担の影響が大きくなることが予想されます。

そして費用をかけて導入しても、大きな発電は得られないので、
メリットが少ないとなってしまうのです。

 

小規模水力発電はどのような場所に導入されているの?

小規模水力発電は、
すでに複数の自治体で導入されています。

山梨県では市内を流れる家中川の水流を利用して、
3基の発電機で発電を行っています。

発生した電気は市役所で消費されるほか、
余剰電力については売電を行っています。

 

また、栃木県北部の那須野ヶ原には、
この地域一帯に農業用水を供給している、
「那須疎水」等の農業用水路があります。

この用水路上に発電機を設置して、
小規模水力発電事業が行われています。

 

更に埼玉県さいたま市では、
市内にある浄水場のうち5カ所に発電機を設けています。

そのうちのひとつでは貯水池からの高低差を、
その他の浄水場では県営浄水場から受水する際の
水圧を利用して発電しています。

発生した電気は、浄水場内で自家消費されたり、
東京電力に売電されたりしています。

このように国内では、
導入を検討する自治体が増える傾向にあります。

 

世界で小規模水力発電の導入が活発なのはヨーロッパです。

ヨーロッパは水力発電の動きも活発ですが、
同様に小規模水力発電にも力を入れています。

またヨーロッパから支援を受けて、
ケニア、エチオピア、ブータン、インドなどの国々でも、
小規模水力発電の導入が広がっています。

現在までにブラジル、ペルー、チリなども、
電力市場へ進出を進めていますし、ボリビア、メコン河など、
大河川が多い東南アジアのカンボジアやベトナムなどでも、
電力の国外輸出の動きが広まってきています。

 

小規模水力発電の環境への影響とは?

水力開発率がすでに90%を超えているフランスやスイスに次いで、
日本やアメリカでも8割を超え、水力発電が今後のエネルギー源の
重要なポジションに当たることが予想されます。

しかし主力発電には、
ダム工事を始めとする大規模な工事が必要になり、
コスト面だけでなく、環境の問題としても課題にあげられています。

そうなると比較的環境に優しいと言える、
小規模水力発電が注目されるのが自然の流れです。

小規模水力発電はダムを造らず、
小川や用水路などの僅かな落差や、
水道管の中の水流を利用して発電するので、
環境に影響を与えることが少ないといえます。

もちろん、生き物が生息する河川での発電には、
多少の影響はありますが、
生き物がいない用水路などでも可能ですし、
大規模な水力発電に比較すると環境に優しいといえるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

小規模水力発電は水力発電の中でも、
出力1000kW以下の水力発電を指すものが対象です。

水の流れさえあれば発電できるという特徴があります。

 

小規模水力発電のポイントは…

  • ダムなどの大規模な工事をしなくても、手軽に導入することができる
  • 環境への影響を最小限に抑えることができる
  • 自治体など地域ごとに小規模水力発電を導入するところが増えている

 

一方で管理者に届け出をしなければいけない、
水利権」の問題が浮上します。

手続きは面倒かもしれませんが、
そこさえクリアすれば活用できるシステムなのではないでしょうか。