出力制御対応機器ってどんなものなの?

出力制御されたら売電は出来ないの?

出力制御されても太陽光発電にメリットはあるの?

 

 

太陽光発電の導入を検討していると、
必ず耳にするのが「出力制御対応機器」いう言葉です。

出力制御とは、
電力会社が電力の安定供給のために電気の出力に制限をかけること
ですが、そうなると様々な不安が出てきます。

 

  • どんな時に出力制限されるの?
  • 出力制御されたら、余った電気は売れないの?
  • 売電出来ないと初期費用の回収が遅れてしまう!

 

どうもデメリットの方が多そうで、
太陽光発電の導入自体を諦めようか迷ってしまいますよね。

今回は、気になる出力制御がどのように行われるのか、
詳しく解説していきます。

太陽光発電の導入を諦めるかどうかは、
出力制御について正しい知識を持ってからにしましょう。

 

太陽光発電の出力制御対応機器とは?

Original update by : 写真AC

 

出力制御対応機器とは、
パワーコンディショナーの出力を抑制する機器のことです。

2015年1月、経産省が発表した省令改正に、
出力制御対応機器設置義務」が盛り込まれました。

これは、電気の供給が需要を大きく上回った際に、
電力会社側が太陽光発電の電気を買い取らなくてもよくなる制度です。

 

なぜ、このような制度が出来たのか簡単にご説明します。

その前年の2014年9月25日に、九州電力が、
太陽光発電による売電量が接続可能量をオーバーしたため、
新規の接続申し込みを保留する、という事態が起こりました。
(九電ショックと呼ばれています)

この新規接続申し込みの保留は、
さらに北海道電力、東北電力、四国電力へ広がりました。

 

電力会社はなぜ、
太陽光発電の新規申し込みを保留したのでしょうか。

電力会社では、刻々と変わる電力消費量に合わせて、
供給する電力量を常にコントロールしています。

一度発電した電気は貯めることが出来ないため、
予測される需要(電力消費)に応じて発電計画を決め、
発電所の稼働や出力を調整して需給バランスを保っています。

もし、この電気の需給バランスが崩れると、
さまざまな設備へ悪影響があるだけでなく、
最悪の場合、大規模停電が発生する恐れがあります。

常に消費量と供給量を一定に保たなければならないのに、
太陽光発電によって供給過多になってしまうと困ってしまうのです。

そのために、新規申し込みの保留という手段に出たのです。

 

このような事態を受けて、
翌年「出力制御対応機器」の設置義務が生じたのでした。

これで電力会社は、
遠隔操作によって太陽光発電の電力を制御できるようになったのです。

 

出力制御対応機器は絶対に設置が必要?

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太陽光発電の買い取り価格を調べていると、
二つの価格があるのに気がつきます。

出力制御対応機器
設置義務あり
出力制御対応機器
設置義務なし
買取価格
平成28年度
33円 31円

 

「あり」と「なし」の二つの価格があるということは、
導入する際に「どちらかを選ぶことが出来る」ということなのでしょうか。

いいえ、これは自分で選べるのではなく、
どのエリアに住んでいるのか、発電容量が何kwかで決まります。

 

全ての発電設備において、設置義務「あり」のエリア(10kw未満の家庭用発電設備も含む)

  • 北海道
  • 東北
  • 北陸
  • 中国
  • 九州
  • 沖縄

50kw以上の発電設備において、設置義務「あり」のエリア

  • 東京
  • 中部
  • 関西

 

あなたが三大都市圏に住んでいて、
発電容量が50kw未満であれば、今のところ設置義務はありません。

その代わり、買い取り価格が設置義務「あり」の方よりも安くなります。

 

太陽光発電の出力制御はどのようにして行われる?売電が出来なくなるの?

Original update by : 写真AC

 

出力制御は電力の需要より供給が上回りそうな時に行われますが、
どのような手順で行われるのでしょうか。

例として、九州電力の対応手順を見てみましょう。

 

  1. 揚水運転にて供給調整
  2. 火力発電の出力抑制
  3. 地域間の電力融通
  4. バイオマス発電の抑制(地域資源バイオマスには例外あり)
  5. 太陽光・風力発電の抑制
  6. 原子力・水力・地熱発電の抑制

 

太陽光発電は5番目の対応になります。

まずは、制御が簡単な火力発電やバイオマス発電から制御されます。

太陽光発電の中でも、
高圧 → 50kW未満10kW以上 → 住宅用 の順番で制御されていきます。

住宅用は制御の順番が遅いのです。

 

また、ある日突然制御されることはありません。
きちんと段取りに基づいて制御されます。

具体的には、

  1. 電力会社にて気象情報などから電力の需給想定を行い、出力制御スケジュールを設定
  2. 前日までに発電事業者に制御予告
  3. 電力会社よりインターネット等で出力制御スケジュール(出力制御日・時間・制御量の設定)を
    発電設備のパワーコンディショナーに送信
  4. 発電設備のパワーコンディショナーが、スケジュールに則り出力を調整

 

出力制御されている間は、
余剰電力が生じてもそれを売電に回すことは出来ません。

利益が減ってしまうことを不安に思う方も多いと思いますが、
それ程深刻に考えなくても良い」、という意見もあります。

その理由として次の3つが挙げられます。

実際に出力制御されたのは限られた地域である

これまでに出力制御が実施されたのは、
九州電力管内の、種子島や壱岐などの離島だけです。

家庭用の太陽光発電は制御される順番も遅いため、
今後も影響は少ないという考えです。

出力制御に対する保険商品がある

安定した収益を見込むことが可能な保険が登場しています。

保険に加入することで、金融機関からの融資も下りやすくなっています。

送電網の発達により、他地域への送電が容易になる

今後、送電網がより発達していけば、
自分のエリアの余剰電力を他地域の電力会社へ回すことが出来るようになり、
出力制御する必要が無くなってきます。

 

設置費用もだいぶ下がってきましたし、
毎月の電気代が節約できるのは確実です。

それでも心配でしたら、同時に蓄電池の設置も検討すれば、
夜の電気も賄えるようになりますし、震災などのいざという時も安心です。

太陽光発電の導入を検討する余地は、まだまだあると思います。

 

出力制御対応機器の価格とは?国から配布されるの?

通信モデムや出力制御ユニットを搭載している出力制御対応機器は、
1kwあたり1.7万円ほどと、高価です。

設置義務のない方との差額は、誰が負担するのでしょうか?

残念ながら、太陽光発電に掛かる費用は、
出力制御機能も含めて発電事業者負担となります。

特に国から補助が出たりもしません。この点にも不公平を感じますよね。

買い取り価格に差があるのは、これらの不満に対応するためでもあるのです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

出力制御についてまとめると、以下のようになります。

  • 出力制御は、電気の需要と供給のバランスを保つために必要な措置である
  • 出力制御対応機器は、パワーコンディショナーの出力を抑制する機器のことである
  • 住んでいるエリアと容量によって設置義務のある場合と無い場合がある
  • 太陽光発電は、火力、バイオマス発電の次に出力制御の対象になる
  • 住宅用の太陽光発電は、
    高圧→50kW未満10kW以上→住宅用とさらに制御される順番が後になる
  • 実際に出力制御されたのは、離島などの一部の地域だけである
  • 売電価格は出力制御「あり」の方が高い価格である

 

出力制御のことを考えると、
売電収入が減るなどのデメリットに目が行きがちです。

ですが、「家庭用の太陽光発電が制御されることは稀である
ということも考慮して、導入を検討してみてください。