農地転用の許可を得るための手続きはどうしたらいい?

どんな農地を太陽光発電設置に使うことが出来るの?

採算は取れる?

設置費用や売電収入はどのくらいになるの?

 

もう使われていない農地をそのままにしておくのはもったいなく、
それならばぜひ、何かに利用したい。

 

そういった場合に、
農地転用による太陽光発電の設置が近年注目されています。

農地転用の許可を得るための手続きや利用する農地の条件
また太陽光発電の設置による採算について詳しくご紹介します。

 

農地転用とは?

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〇農地転用とは
本来太陽光発電を設置出来ない場所である「農地」を別の地目に変更し、
その土地を太陽光発電に利用をすることを言います。

 

耕作放棄地や有休農地などの現在使われていない農地に
太陽光発電を設置すれば、それは土地の有効利用となります。

しかし、日本の食料自給率が世界的に低いことを理由に、
農業に利用される農地を減らすことはあまり推奨されません。

また、農地の地目を変更すると、
再びそこが農地に戻ることはほぼありえません。

 

そのため、農地転用の審査や条件はとても厳しく設定されており、
なかなか許可が下りないようになっています。

 

使用してない田畑に太陽光を設置するための手続きは?

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農地転用の手続きは、
各市町村管轄の「農業委員会」に書類を提出、審査してもらう必要があります。

申請のために、以下の書類をご用意ください。

  • 定款(寄付行為)及び法人の登記事項証明書
  • 申請に係る土地の登記事項証明書
  • 申請に係る土地の地番を表示する図面
  • 転用候補地の位置及び附近の状況を示す図面(縮尺50,000分1~10,000分の1程度)
  • 転用候補地に建設しようとする建物または施設の面積、位置、
    および施設間の距離を表示する図面(縮尺500分1~2,000分の1程度)
  • 転用事業を実施するために必要な資力及び信用があることを証する書面
  • 所有権以外の権原に基づく申請の場合には所有者の同意書
  • 耕作者がいる場合、耕作者の同意書
  • 転用に関連して他法令の許認可等を了している場合、その旨を証する書面
  • 申請に係る農地が土地改良区の地区内にある場合、当該土地改良区の意見書
  • 転用事業に関連して取水または排水につき水利権者、漁業権者、
    その他関係権利者の同意を得ている場合、その旨を証する書面
  • その他参考となる書類

 

ただし、管轄の農業委員会に
詳しく確認をしてから書類の準備を行って下さい。

また、利用する農地によって許可をもらう相手が変わってきます。

そういった、農地転用の対象となる農地の様々な条件について、
次で詳しくご紹介します。

 

農地転用できない土地があるって本当?

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一口に農地といっても、大きさや立地など様々な種類のものがあり、
区分が付けられています。

それによって農地転用の許可の方針が変わってきます。

具体的な区分は、以下のようになってます。

 

  • 農用地区域内農地
  • 甲種農地
  • 第1種農地
  • 第2種農地
  • 第3種農地

 

〇農用地区域内農地

市町村が定める農業振興地域整備計画において、
農用地区域とされた区域内の農地を指します。

農地転用は原則「不許可」です。

ただし、農振法第10条第3項の
「農用地利用計画」に指定された目的などの場合、許可されます。

〇甲種農地

第1種農地の条件を満たし、
市街化調整区域内の土地改良事業等の対象になるなど、
特に良い営農条件を備えている農地を指します。

農地転用は原則「不許可」です。

ただし、土地収用法第26条の
「告示に係る事業」などの場合、許可されます。

〇第1種農地

10ヘクタール以上の規模の一団、土地改良事業等の対象など、
良い営農条件を備えている農地を指します。

農地転用は原則「不許可」です。

ただし、土地収用法対象事業に使われるなどの場合、許可されます。

〇第2種農地

鉄道の駅が500m以内にあるなど、市街地化が見込まれたり、
生産性の低い小集団だったりする農地を指します。

周りの土地に立地することが出来ない場合、農地転用が許可されます。

〇第3種農地

鉄道の駅が300m以内にあるなど、
市街地の区域、もしくは市街地化の傾向が高い区域にある農地を指します。

農地転用は原則「許可」されます。

 

許可の申請を行う前に、
農地転用に利用したい農地の条件を事前にしっかりと確認してください。

また農地によっては、太陽光発電の設置方法が変わる場合があるため、
そちらを次で詳しくご紹介します。

 

設置方法は「農地転用型」と「営農型」がある

太陽光発電の設置には、始めに説明した通り、
農地をそのまま太陽光発電に転用する「農地転用型」と、
耕作を続けながら行う「営農型」があります。

 

農地があるものの、
それが上で述べたような農地転用に使えない条件であった場合、
営農型の設置方法で太陽光発電を使用することが出来ます。

これは、農地の上に隙間を作りつつ太陽光発電を並べ、
作物のための太陽光を確保しつつも発電をする
ソーラーシェアリング」というシステムです。

ただし、営農型の設置をする場合でも、
一時転用許可」をもらわなければなりません。

耕作を同時に行うとはいえ、
農地を農業目的ではなく使うことに変わりはないからです。

農地転用の許可をもらうよりは条件も厳しくないため、
特に農業に副収入を見出す手法として注目されています。

 

実際に農地転用で太陽光発電をしている事例はコレだ!

実際に、農地転用型の太陽光発電を導入した方の設置事例をご紹介します。

この事例での太陽光発電の概要は以下のようになっています。

  • 設置場所 … 300坪農地
  • 設置要領 … 50kw以下(高圧)
  • 方位・傾斜 … 南方向・20度
  • 発電出力 … 50kw
  • 初期投資額 … 1,800万円
  • 予想売電収入 … 250万円
  • 投資回収年収 … 7年

 

この事例では、年間約304万円の売電収入が入るようになっており、
導入者はとても満足しています。

次は、電気代の節約や、確実性のある売電収入などによるメリットなど、
採算や収支についてご紹介します。

 

採算はとれる?設置費用や売電収入はどれくらい?

実際に農地転用型の太陽光発電を設置した場合の、
設置費用や売電収入をご紹介します。

土地の広さを1,000平方メートル、1kw辺りの設置費用を約32万円
買取価格を34,56円/kWhで計算した場合です。

設置費用は約2,240万、売電金額は年間約242万円となります。

 

買取価格は、太陽光発電が安く導入出来るようになったことから
年々下がっていく傾向にあります。

しかし、農地転用による太陽光発電の場合、
「売電契約時の価格で20年間は変わらない決まり
となっているので、安定した収入を得られます。

 

太陽光発電は一般的に、
1kWあたり年間1,000kWh発電出来るとされています。

この1,000kWhは約3万円の売電収入となり、
また1kWあたりの初期投資が約30万円のため、
約10年で採算が取れるという計算になります。

 

まとめ

いかがでしたか?

農地転用による太陽光発電には、こういった成功事例が多くあります。

ただし、以下のポイントは必ず押さえておかなければなりません。

  • 農地転用の許可を得る手続きは簡単ではないため、しっかりと事前準備を行う
  • 手続きをする前に農地転用に利用したい農地の条件を必ず詳しく確認する
  • その条件によって、太陽光発電の設置方法を「農地転用型」か「営農型」か選ぶ
  • 初期費用と売電収入の見積もりを事前に出しておく

 

農地転用による太陽光発電は、土地の有効利用となり、
また元々作物のために日照りがある土地を切り開いていることが多いため、
発電にとても良い環境です。

また、地価が安ければ安いほど、利用効率も高くなります。

この記事を参考にして、
空いた農地を利用した農地転用の太陽光発電をぜひご検討下さい。