エコキュートとオール電化って、何が違うの?
やっぱりオール電化にした方が良いの?
オール電化のメリットとデメリットを教えて!
古くなったり壊れてしまった給湯器を交換する時に、
エコキュートやオール電化を進められることがよくあります。
しかし、
「エコキュートとオール電化って、何がどう違うのかよく分からない」
という声を耳にします。
CMなどでこの二つの言葉を頻繁に聞くようになりましたが、
それぞれがどのような仕組みなのか、
ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
今回は、エコキュートとオール電化の違いを詳しく解説していきます。
オール電化のメリットとデメリットについてもご紹介していきますので、
是非、参考にしてください。
そもそもエコキュートやオール電化って何?
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まずは、「エコキュート」「オール電化」の、
それぞれの仕組みや特徴を見ていきましょう。
〇エコキュート
目には見えない大気中の熱エネルギーを利用して、
お湯を沸かすシステムが、エコキュートです。
次のような仕組みでお湯を沸かしています。
- 室外機が大気中にある熱(空気)を取り込む
- 「自然冷媒」で圧縮することで高温にする
- その熱を水に伝えてお湯を作る
*自然冷媒とは?
空気と同じ部類で自然界に存在する物質です。
可燃性、毒性もありません。
自然エネルギーを利用しているため、環境にやさしい給湯器です。
深夜の安い電気料金の時間帯にお湯を沸かすため、経済的でもあります。
作られたお湯は、主にキッチンやお風呂などで使われます。
家庭で給湯に使われるエネルギーは、全体の約1/3になります。
エコキュートを取り入れることで、給湯にガスを使うことは無くなり、
省エネに加えて二酸化炭素の削減が図れるのです。
〇オール電化
家庭内の調理・空調・電気・給湯など、
熱源の全てを電気で賄うことを、オール電化と言います。
ガスを一切使用しなくなるので、
ガス管や安全装置などガスにまつわる全ての物が必要なくなります。
オール電化にすると、家庭内は次のようになります。
キッチン
ガスではなく電気を使って調理をする、
「IHクッキングヒーター」が必要になります。
給湯
ガスでお湯を沸かすのではなく、
「エコキュート」や「電気温水器」などの温水器を使用します。
暖房
ガス・灯油の暖房ではなく、エコキュートの熱を利用した「床暖房」や、
「蓄熱ヒーター」という暖房機が使われることが多いです。
エコキュートのみとオール電化は何が違う?
上の項で見てきたように、
エコキュートが出来ることはお湯を沸かす「給湯」です。
ですから、エコキュートのみを導入した場合、
調理にはガスコンロを使用することになります。
オール電化の場合は、給湯・調理・冷暖房など、
全てが電気です。
例えば、
- エコキュート(または電気温水器)+ IHクッキングヒーター + エアコン = オール電化
- エコキュート + ガスコンロ + ガス床暖房 = オール電化ではない
ということになります。
まとめると、次のようになります。
給 湯 | 調 理 | 冷 房 | 暖 房 | |
エコキュート |
電気 |
ガス |
電気 |
電気・ガス・ 灯油 |
オール電化 | 電気
(エコキュート・ 電気温水器で) |
電気
(IHクッキングヒーター) |
電気
|
電気 |
オール電化にするメリットとは?
Original update by : 写真AC
エコキュートを導入するのなら、
いっそのことオール電化にしてしまった方がお得なのでしょうか。
まずは、オール電化のメリットを見ていきましょう。
メリットとして、次のような点が挙げられます。
- ガスを使用しないのでガスの基本料金が掛からない
- 安い深夜料金を利用できる
- 炎が出ないので、着衣発火などの危険が無い
- 一酸化炭素中毒などの心配がいらない
- 災害時の復旧が都市ガスよりも早い
- 給湯器で貯めた水やお湯を災害時に生活用水として利用できる
- IHクッキングヒーターは、ガスコンロよりも掃除が簡単
オール電化の場合、光熱費が電気料金に一本化されるため、
ガスの基本料金が要らなくなります。
衣服の袖口に着火したり、
ガス漏れや一酸化炭素中毒の心配も要りません。
東日本大震災の時にも、
ライフラインの中で一番復旧が早いのが電気でした。
非常事には、給湯器に貯まっているお湯や水を、
生活用水としても使うことができます。
オール電化にするデメリットとは?
次にオール電化のデメリットを見ていきましょう。
デメリットとしては次のような点が挙げられます。
- 昼間の電気料金が高くなる
- 調理器具が限定される
- 火力が弱い
- 大量にお湯を使うと湯切れすることがある
- 停電時に何も出来なくなる
- 設置コストが高額
- 設置スペースが必要
- 運転音が気になる
- 温水器の衛生面が心配
深夜の時間帯は電気料金が安くなりますが、
その分昼間の電気代が高くなるので、
日中の在宅率が高い家庭では電気代が気になります。
また、大量にお湯を使うとタンクのお湯切れが起きてしまいます。
そうすると、電気代の高い時間帯に再度お湯を沸かすことになるので、
家族が多い家庭ではこちらも気になります。
停電になった時は、オール電化だとお湯を沸かすことも出来ませんので、
非常用に携帯ガスコンロなどを用意する必要があります。
また、エコキュートのタンクは大型なので、
ある程度広い設置スペースが必要となります。
深夜に運転するので、隣家の寝室と隣り合わせになると、
運転音についてクレームが来る可能性もあります。
オール電化にした方がお得かどうかは、
日中の在宅率や家族構成で変わってきます。
導入する前に、家族の生活リズムを、
長期的に予測しておくことも必要となってきますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エコキュートは大気中の熱エネルギーを利用して、
「お湯を沸かす」システムです。
ですから、エコキュートのみ導入した場合には、
調理や暖房にガスや灯油が必要になります。
オール電化は家中の熱源を電気で賄いますから、
給湯 ⇒ エコキュート、調理 ⇒ IHクッキングヒーター、冷暖房 ⇒ エアコン
というように、ガスは一切使用しません。
エコキュートを含めオール電化にすると、
- ガスを使用しないのでガスの基本料金が掛からない
- 安い深夜料金を利用できる
- 炎が出ないので、着衣発火などの危険が無い
など、たくさんのメリットがありますが、反対に、
- 昼間の電気料金が高くなる
- 調理器具が限定される
- 大量にお湯を使うと湯切れすることがある
などのデメリットもあります。
オール電化にしてお得になるかどうかは、
日中の在宅率や家族の人数などで変わってきます。
ですので、導入前によく検討しましょう。