震災などで壊れた太陽電池モジュール、太陽光発電パネルの危険性
太陽光発電パネルの危険性が周知されていない現状に総務省が勧告
2018年7月に西日本を襲った豪雨は記憶に新しいが、自然災害が増える中、震災や災害により破損した太陽光発電パネルの危険性についてはあまり周知されていません。
こうした現状を改善する為に、総務省は2018年9月、太陽光発電パネルの感電などに対する危険性を周知徹底する様、環境省に勧告しました。
また、災害によって破損した太陽光発電パネルの適切なリサイクル処理についての法整備を進める様環境省と経済産業省に勧告をしました。
参考:https://www.kankyo-business.jp/news/015596.php
今後、災害により破損した太陽光発電パネルの危険性や正しいリサイクル処理について、周知が広まる事と思われます。
災害で水没した太陽光発電パネルは感電等の危険性あり
太陽光パネルは、日光があたると事で発電するしくみになっています。
地震や豪雨などの災害により、太陽光パネルが破損し水没したとしても、太陽光が当ると発電する為、不意に触れると感電の恐れがあります。
2018年7月に西日本を襲った豪雨でも、壊れたパネルが排出されましたが、災害が多い昨今、そうした危険を知らずに触れてしまう危険性は非常に高まっています。
もし、何らかの災害により壊れた太陽光発電パネルがあっても、感電の恐れがある事を思いだし絶対に触れない様注意してください。
破損パネルから流出する有害物質
災害などにより壊れた太陽光発電パネルの危険性は感電だけではありません。
太陽光パネルの中には、鉛やセレンという有害物質を含むものもあります。
壊れた太陽光パネルから、それらの有害物質が流出する危険性も考えられます。
震災などの災害が増える日本において、太陽光パネルはそうした問題を抱えており、
総務省の主導で破損した太陽光パネルのリサイクル、回収に関する対応も進められています。
そのひとつとして、
太陽光パネルに関わる有害物質に関する正しい情報を、排出事業者や関係者に容易に確認、入手できるようにする様にし、また埋立処理などの適切な指示もする様に環境省、経済産業省に勧告がだされています。
使用済みパネルの回収から適切な処理やリサイクルについての整備は、法改正も含め今後の課題ともなっています。
総務省による太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査も報告されています。
太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査
太陽電池に含まれる有害物質とは
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)が開始さられた2012年以降、太陽光発電の普及が進んでいます。
その一方で、太陽光発電のパネルの廃棄にあたり、処理をする業者に設けたガイドラインも公開されています。
名称は、「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン」。
そのガイドラインによると、太陽光発電パネルなどの廃棄時に環境に悪い影響を及ぼす危険のある物質として鉛、カドミウム、ヒ素、セレンの4つが記載されています。
これらの有害物質は地震など災害や大雨による洪水、土砂崩れなどの影響で排出された時も発生する恐れもある事がわかっています。
また、廃棄物処理業者への正しい情報提示や処理会社への指導など、リサイクルの方法を確立する事も今後の課題となっています。
しかし、2015、2016年度に損壊パネルが発生した6市町村を対象に調査した報告によると、6市町村ともに破損パネルの危険性を認識していなかったという事も明らかになりました。
そういった課題のクリアのひとつとして、環境庁の定める「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」では、産業廃棄物の撤去事業者を含む排出事業者に対して、撤去作業者に対して適切な情報を処理業者に提示する事を求めています。
使用済みの破損パネルの有害物質情報が未確認のまま埋立られている
太陽光発電パネルを始めとした太陽電池の有害物資情報が産業処理事業者に提供されなかったこともあり、
有害情報を未確認のまま埋立処理をされていた事も問題です。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」により、排出事業者から産業廃棄物処理業者への有害物質情報を提供する義務の明確化を進められています。
西日本豪雨被害による太陽光発電パネルをリサイクルできる廃棄業者
2018年7月の西日本豪雨により、中国地方では大量の太陽電池モジュール(太陽光発電パネル)が排出されました。
太陽光発電協会では、西日本地域で利用可能なリサイクル廃棄業者の一覧を公表しました。
これらの業者は、太陽光発電協会(JPEA)が、被害にあわれた方が廃棄の依頼先を探す為の参考情報として公表しているものになります。
産業廃棄物の処理、撤去でお困りの方は、実際に業者に連絡の上、詳細を確認してみてください。
名称 | 電話番号 | 所在地 |
---|---|---|
スナダ | 082-433-6110 | 広島県 |
PVテクノサイクル | 03-5755-1515 | 大阪府 |
リサイクルテック | 093-752-5322 | 北九州市 |
リサイクルテック・ジャパン | 052-355-9888 | 名古屋市 |
ハリタ金属 | 0766-64-3516 | 富山県 |
太陽光発電協会が発表した太陽光発電パネルリサイクル廃棄業者一覧
太陽光発電パネルの普及に伴い、太陽光発電パネルの廃棄はどうすれば良いのか?
産業廃棄物を依頼できる中間処理業者を知りたいというニーズも高まってきています。
また、西日本豪雨の被害などの背景もあり、太陽光発電協会(JPEA)では、壊れた太陽光発電パネルをリサイクルできる廃棄物処理業者一覧を公開しました。
これらの情報は、情報提供として太陽光発電協会(JPEA)から公開はされているが、その内容に関しては一切の責任を負わないとされており、あくまでも参考情報として取り扱う事を前提としています。
連絡の上、自己責任で情報を入手して処理を依頼する事になります。
No | 名称 | 所在地 | 電話番号 | HP |
---|---|---|---|---|
1 | ㈱マテック石狩支店 | 北海道石狩市 | 0133-60-2000 | http://www.matec-inc.co.jp/ |
2 | ㈱青南商事 | 青森県弘前市 | 0172-35-1413 | http://www.seinan-group.co.jp |
3 | ㈱環境保全サービス | 岩手県奥州市 | 0197-25-7522 | http://www.khs.ne.jp/ |
4 | ㈱環境開発公社エムシーエム | 宮城県大崎市 | 0229-29-2228 | http://www.kk-mcm.co.jp |
5 | 日曹金属化学㈱ | 東京都台東区 | 03-5688-6383 | http://www.nmcc.co.jp |
6 | 水海道産業㈱ | 茨城県常総市 | 0297-22-0077 | http://www.mitsukaido.net/ |
7 | ㈱浜田 | 東京都港区 | 03-6459-1352 | https://www.kkhamada.com/ |
8 | 東芝環境ソリューション㈱ | 神奈川県横浜市 | 045-510-6833 | http://www.toshiba-tesc.co.jp/index_j.htm |
9 | ㈱エコネコル | 静岡県富士宮市 | 0544-58-5800 | http://www.econecol.co.jp/ |
10 | ハリタ金属㈱ | 富山県高岡市 | 0766-64-3516 | http://www.harita.co.jp/ |
11 | リサイクルテック・ジャパン㈱ | 愛知県名古屋市 | 052-355-9888 | http://www.r-t-j.co.jp |
12 | ㈱浜田 | 大阪府高槻市 | 072-686-3500 | https://www.kkhamada.com/ |
13 | 平林金属㈱ | 岡山県岡山市 | 086-246-0011 | http://www.hirakin.co.jp/ |
14 | ㈱スナダ | 広島県東広島市 | 082-433-6110 | http://www.e-sunada.com |
15 | 金城産業㈱ | 愛媛県松山市 | 089-972-3300 | http://www.eco-kaneshiro.com |
16 | ㈱リサイクルテック | 福岡県北九州市 | 093-752-5322 | https://www.shinryo-gr.com/recycle-tech.html |
17 | 九州北清㈱ | 宮崎県小林市 | 0984-24-1170 | http://www.k-hokusei.co.jp |
18 | 廃ガラスリサイクル事業協同組合* | 岩手県奥州市 | 0197-51-1281 | |
19 | ガラス再資源化協議会* | 東京都港区 | 03-5775-1600 | http://www.grcj.jp |
20 | ㈱啓愛社* | 東京都千代田区 | 03-6206-8116 | http://www.keiaisha.co.jp/index.html |
21 | PVテクノサイクル㈱* | 東京都大田区 | 03-5755-1515 | http://www.pvtechno.info |
(注1)中間処理業者の名称は, 原則として連絡先または処理施設の住所の順, 北から南, 東から西の順に記載する
(注2)名称の後に*があるものは, リサイクル率が 80%以上であると自己宣言した業者を紹介しようとする団体・会社