太陽光発電を導入したら、火災保険に入ったほうが良いの?
火災保険に入らないと、どのようなリスクがあるの?
どのようなポイントで火災保険を選べばいい?
太陽光発電から火災が起きたら…
そんな、いざという時のために、
火災保険に加入しておいた方が良いのでしょうか。
どのような火災保険に入ればいいのか?
入らないとどのようなリスクがあるのか?
疑問点はたくさんあります。
今回は、太陽光発電を導入した際に、
- どのような火災が起こる可能性があるのか
- 火災保険に加入するとしたら、どのような点に注意するべきか
を説明していきます。
太陽光発電を導入する方は、是非、参考にしてください。
太陽光発電ではどんな火災が起こりうる?
Original update by : 写真AC
そもそも、太陽光発電システムから出火することってあるのでしょうか?
答えは、Yes!
太陽光発電システムが原因の火災は結構起こっています。
太陽光発電は、
ソーラーパネル、パワーコンディショナー、接続箱、ケーブルなど、
様々な電子部品が使われている「家電製品」です。
経年劣化やケーブルの損傷などで出火することは十分に考えられる
ということを念頭に置いておきましょう。
では具体的にどのような火災が起きているのでしょうか。
実際に起こった火災事例を見てみましょう。
- 小動物がかじった配線がショートし、落ち葉や枝に引火
- モジュールの裏側にまとめられた余剰配線がショートし、鳥の巣に引火
- 余剰配線をビニールでまとめたが、
隙間から雨水が入り絶縁が悪くなった所へ太陽光が差し込み出火
太陽光発電は風雨にさらされる室外に設置しますので、
ケーブルなどの劣化はしっかりとメンテナンスする必要があります。
しかし、小動物にかじられたり、鳥の巣に引火するなどは、
運が悪かったとしか言いようがありません。
太陽光発電を設置している方はどんな方でも、
火災が起こるリスクを背負っていると言っても過言ではないのです。
太陽光発電はどんな火災保険に入ればいい?
火災のリスクをカバーしてくれるのが火災保険ですが、
今加入中の火災保険でも、
太陽光発電が原因の出火に対応してくれるのでしょうか。
それとも単体で、
新たに加入し直さなければならないのでしょうか。
一般的な屋根に取り付けられている太陽光発電は「建物」の補償範囲
屋根に直接設置された太陽光発電システムは、
「建物の一部」とみなされますので、
今加入中の火災保険で対応することができます。
しかし、補償額は足りますか?
高額な太陽光発電システムの分を増額しておかないと、
補償額が足りなくなる恐れがあるので注意が必要です。
野立てなどで土地に定着しておらず移動が容易な場合は「動産総合保険」
ソーラーパネルを屋根に取り付けずに野立てとして設置した場合は、
動産総合保険に加入することが出来ます。
火災以外にも落雷、破裂・爆発、風災、雹災、雪災など、
幅広い損害に対応しています。
火災保険に入らないとどんなリスクがあるの?
Original update by : photo AC
しかし新たに保険に加入するのも、今の保険に増額するのも、
どちらもお金が掛かります。
太陽光発電を導入しても「何もしない」という選択肢もありますが、
火災保険に入らないとどのようなリスクを負うことになるのでしょうか。
考えられるリスクとして次の2点が挙げられます。
- 今の保険でカバーされない分は自分で補填をしなければならない
- 近隣からの火災の場合、失火法により損害賠償は支払われない
1.今の保険でカバーされない分は自分で補填をしなければならない
支払っている保険料が安ければ、
もちろん支払われる補償額も当然少なくなります。
被害が甚大な場合、
少ない補償額では元の生活に戻ることは難しくなります。
2.近隣からの火災の場合、失火法により損害賠償は支払われない
火災を起こす確率は非常に低いので、
それを理由に保険に入らない方もいるわけですが、
近隣からの延焼で火災に巻き込まれることも考えられます。
その際、火元の住人に重大な過失がなければ、
失火法により損害賠償は支払われません。
自分の火災保険で何とかしなければならないのです。
火災時に太陽光発電で損しないポイントは?
しかし実際に火災が起きた場合、
保険が重複していると、一方の保険からしか補償されません。
これでは、高い保険料が無駄になってしまいますよね。
「え?火災保険以外にも何か保険を掛けていたっけ?」
太陽光発電を導入する際、メーカーはどのような補償を付けてくれたか、
まずはそれを整理してみてください。
一般的に国内の太陽光発電メーカーは、
メーカー保証として「機器保証」と「出力保証」を10年間付けています。
メーカーによってはこれらの保証のほかに、
火災・落雷・台風などの「災害補償」を無償で、
あるいはオプションとして有償で付けている事があります。
確認するポイントは次の通りです。
- メーカーの災害補償が付いているか
- その災害補償でどこまでカバーできるのか
- その上で足りない補償はいくらなのか
- 足りない分を今加入中の保険に上乗せできるのか
損をしない為には、メーカーの災害補償が何年なのかも確認し、
空白期間が無いような配慮も必要ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
太陽光発電システムも家電製品ですから、
経年劣化やケーブルの損傷で火災を起こすことは十分に考えられます。
万が一火災を起こしてしまった時に頼りになるのが火災保険ですが、
屋根に設置したものでしたら、「建物」とみなして、
今加入中の火災保険で対応できます。
移動できる野立ての物なら、
動産総合保険に新たに加入することになります。
しかし、太陽光発電のメーカー保証に災害補償が付いている場合、
保険内容が重複していると、片方の保険からしか補償されません。
- メーカーの災害補償が付いているか
- その災害補償でどこまでカバーできるのか
- その上で足りない補償はいくらなのか
- 足りない分を今加入中の保険に上乗せできるのか
この4点を確認して、損をしないように気を付けましょう。