太陽光発電から電磁波が出るの?
体にどんな影響があるの?
電磁波を止めることは出来るの?
電気代の節約や売電による収入が見込める太陽光発電は、
環境にも優しく、特に東日本大震災の後、ますます普及が進んでいます。
しかし、
「太陽光発電を設置してからどうも体調がすぐれない…」
「発電時に耳鳴りや頭痛がする…」
なんて話を聞くと、
大丈夫なの!?と心配になってしまいますよね。
これらの体調不良は「電磁波」が原因ではないか?
という噂もありますが、実際のところどうなのでしょうか。
今回は、太陽光発電と電磁波の関係について調べてみました。
導入を考えているけれど、どうも心配だ…
と言う方は、是非、参考にしてください。
電磁波とは?体に悪影響を及ぼすの?
Original update by : 写真AC
まずは、電磁波とはどのようなものなのか、
体にどのような影響を与えるものなのかを、解説していきます。
電磁波とは、「電場」と「磁場」の変化によって起こる波(波動)のことです。
- 電場 ・・・ 電気的な力(プラスとマイナスがくっつく力)が働く空間のこと
- 磁場 ・・・ 磁気の力(N極とS極がくっつく力)が働く空間のこと
電磁波は、一般的に周波数(1秒間に生じる電磁波の「波」の数)で表され、
波長の違いで性質を変えます。
経済産業省のHPに掲載されている電磁波の種類の一覧表です。
医療用から身近な電化製品まで、
私たちの生活には電磁波があふれている事が分かります。
では、電磁波は体にどのような影響を与えるのでしょうか。
WHO(世界保健機関)による報告を見ていきましょう。
短期的影響
高レベルの電磁波を浴びると、神経・筋肉への刺激等、
生物学的影響が出ることが科学的に証明されています。
しかし、「国際的なガイドラインを守っていれば悪影響は無い」としています。
長期的影響
電磁波が「小児白血病と関連がある」と発表されてから、
様々な機関が研究をしていますが、
明確な因果関係は見つかっていません。
また、「電磁波が人の体に悪い影響を及ぼす」
といった科学的根拠は得られていません。
「電磁波が体に何か悪影響を及ぼすという証拠は見つからない」
という事ではありますが、
近所に携帯電話の基地局が出来たりしたことで、
体調不良を起こす人がいるのも事実です。
そのような症状の事を「電磁波過敏症」と呼びます。
電磁波過敏症の具体的な症状として、次のようなことが挙げられます。
- 目が見えにくい、痛い
- 耳鳴りがする
- 皮膚が乾燥する、赤みや湿疹ができる
- 鼻詰まり、鼻水が止まらない
- 顔が火照る
- 頭痛がする、記憶障害を起こす
電磁波が健康に悪影響を及ぼすという証拠はありませんが、
全く影響が無いと言い切る科学的根拠も、今のところ無いのです。
太陽光発電のデメリットは電磁波?機器から電磁波が出る?
では、太陽光発電からは、どのくらいの電磁波が出るのでしょうか。
財団法人電気安全環境研究所が出した数値によると、
- ソーラーパネル ・・・ 83ミリガウス(20cm離れた位置で計測)
- パワーコンディショナー ・・・ 75ミリガウス(30cm離れた場所で計測)
となっています。
この数字は、国際的ガイドラインの基準値の2%前後であり、
非常に小さい数値となっています。
参考として、他の電化製品の値を見てみましょう。
- 電子レンジ ・・・ 80ミリガウス(50cm離れた位置で計測)
- ホットカーペット ・・・ 300ミリガウス(0cmの距離で計測)
太陽光発電が特別高い数値ではない、ということが分かると思います。
特に屋根の上にあるソーラーパネルに近づくことは滅多にありませんから、
心配する必要はないと言っても良いでしょう。
影響があるとしたら、パワーコンディショナーの方ではないでしょうか。
電子レンジなどは一日中つけっぱなしと言うことはありませんが、
パワーコンディショナーは発電している間中稼働しているわけですから、
電磁波過敏症の方には、かなり気になる存在になります。
また、周辺機器として、
無線モニターなどからも電磁波が出ている可能性があります。
電磁波を止めたり予防する方法はある?
Original update by : 写真AC
残念ながら電磁波を止めることは出来ませんが、
少しでも影響を減らすことは出来ます。
対策として考えられることは次の2つです。
- パワコンを置く場所を考える
- モニターなどは有線にする
1.パワコンを置く場所を考える
電磁波は距離を置けば置くほど低減しますので、
パワコンを室内ではなく屋外に置くことをお勧めします。
環境省が出している「太陽光発電システムの性質」という資料からも、
20メートル離れていれば全く影響は無いといえる、と記載されています。
2.モニターなどは有線にする
家の中のWiFiなどからも電磁波は発生しています。
無線のものを有線にするだけでも、
電磁波の影響を少なくすることが出来ます。
太陽光発電は大がかりなシステムのため、
一度設置すると簡単に撤去することができません。
いろいろな数値を見ても尚、
電磁波が気になってストレスになるようでしたら、
導入自体を見直すことを視野に入れても良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電磁波とは、電場と磁場の変化によって起こる波動のことです。
波長によって種類があり、医療用から電化製品まで、
私たちの周りに無数の電磁波が飛び交っています。
「体に悪影響を及ぼす」という、
科学的な根拠や因果関係は証明されていませんが、
電磁波過敏症と呼ばれる症状を引き起こす方がいるのは事実です。
太陽光発電システムは、ソーラーパネル、パワーコンディショナー共に、
国際基準を大幅に下回る電磁波しか発生させていませんが、
気になる方は次のような対策を立てることをお勧めします。
- パワコンを屋外に設置する
- モニターなどを無線から有線に変える
電磁波を気にするあまり、精神的にストレスを感じてしまうようでしたら、
設置そのものを見直すことも考えましょう。